先日、うちわの骨に紙や布を貼る「貼り」という工程の職人さんとお話しさせていただく機会がありました。
実際に「貼り」を実演しながら説明していただきました。
ところで、うちわの骨には表と裏があります。
竹の節にある芽の跡が裏なので、そちらに裏紙を「貼り」ます。
その説明中に、職人さんは
「私らはこれを『へそ』と呼んでるの」
とおっしゃいました。
なるほどそうなのか思っていたら、続けて
「あれ!?」
と驚いたような声を上げて、
「『おへそ』なのに背中になるのおかしいわね、今まで気づかなかったわ」
と言ってカラカラと笑っていました。
80代の職人さんでも、新たな気づきがあるものだなあと思いました。